近年では、女性向けの転職サイトが数多くあり、女性エンジニアを歓迎する企業も非常に多いです。
女性の転職に強いエージェントへ相談に行けば、10社以上の求人を紹介されることもあり、応募企業の見極めに頭を悩ませてしまうこともあるでしょう。
この記事では、4回の業界内転職を経験してきた筆者の目線から、
- 膨大な求人情報から、転職先を選ぶ際にチェックすべきポイントとは?
- 女性だからこそ気をつけたい、転職先を選ぶときの注意点とは?
といった、女性エンジニアが転職先を選ぶときに気をつけて欲しいポイントを解説していきます。
もくじ
まず、勤務地は要チェック!
エンジニアは、自社から取引先へ派遣される「客先常駐」という勤務体制が多い職種です。
そのため、求人票を出している企業の所在地と実際の勤務先は異なることがあるので注意が必要です。
②客先常駐の場合、最寄り駅は?
③勤務先が頻繁に変更されることはないか?
④転居を伴うほどの転勤はないか?
腰を据えて働くためにも、勤務先に関する情報はしっかり確認しましょう。
女性エンジニアが働きやすい企業を見極めるポイント

転職先を選ぶ際に重視する働きやすさの条件は、独身、既婚、乳幼児育児中、子供に手が掛からない、など、ライフスタイルによって異なるかと思います。
また、スペシャリストとして技術を究めていきたい人と管理職を目指したい人では、描くキャリアパスも違うでしょう。
自分が企業に求める条件を明確にし、希望に合った転職先を選んでいきましょう。
女性の採用、育成に積極的な企業の見極めポイント
女性エンジニアの人数、キャリアアップを実現している女性エンジニアの人数を探る
従業員数について「女性社員多数在籍」とぼんやり書かれている場合がありますが、これは事務職の女性社員も含まれていると考えられます。
もちろん、女性社員が多く在籍しているのは心強いことではありますが、「女性のエンジニア職が何名いるのか?」 がポイントです。
女性エンジニアが多ければ企業は積極的に採用しているし、働きやすいから勤務を継続できているのです。
また、技術的な講習の他に、女性向けのリーダー研修などを企画している企業は、育成にも力を入れているといえます。
「キャリアアップを実現している女性エンジニアはいるか?」についても確認したいポイントです。
求人票には詳細に記載されていない場合もあるので、面接時の質疑応答で聞いてみたり、エージェントから情報を得ると良いでしょう。
ワークライフバランスを実現できる企業の見極めポイント
休暇取得率、残業時間を探る
“仕事も充実、生活も充実。”を理想とするなら、休暇の取りやすさ、残業時間の少なさを確認しましょう。
「土日祝休み」「完全週休二日制」「月残業20時間以内」「社員のプライベートも尊重」などがキーワードです。
また、失恋休暇や結婚記念日休暇など、特色のある休暇制度を設けていて、社員の休暇取得率が高いことをアピールしている企業もあります。
ここで注意したいのは、休暇取得率や残業時間は、管理職や事務職を含めた全社員の平均値かもしれないということです。
管理職、事務職、エンジニア職では、労働環境が違うため、休暇の取りやすさと残業時間に差が出るはずなのです。
エンジニア職の休暇取得率や残業時間がわかれば、女性エンジニアでもワークライフバランスが実現可能か?を見極められるポイントになります。
育児をしながら働きやすい企業の見極めポイント
女性エンジニアの復職実績を探る
- 産休・育休取得実績あり
- 育休明け復職率○%
- 子育てママ活躍中
- 週4勤務、時短勤務可
などがキーワードです。
産休・育休制度は、多くのの企業が取り入れていますが、中でも男性社員の育休取得実績がある企業は、子育て世帯に対して特に理解があるといえるでしょう。
父親が自主的に育児に関われる環境を整えている企業は、子育てを母親任せにしない意識がありますので、男性も女性も働きやすいと考えられます。
週4勤務や時短勤務を取り入れていたり、子供の体調不良に対応するための特別休暇を設けていたりと、子育て世帯を支援する制度を充実させている企業もあります。
ここで注意しておきたいのは、面接時に福利厚生制度をメインとした質問ばかりしないことです。
こちらとしてはしっかり聞いておきたい内容ではありますが、面接官の立場から見ると印象は良くないです。
「業務内容に魅力を感じた。」「結婚や妊娠を経ても、やり続けたいと思う仕事である。」
仕事を続けたい。だから福利厚生制度を確認しておきたい。という動機づけをしたうえで、「育休を経て復帰した女性エンジニアは何名いるのか?」「乳幼児を育てながら活躍している女性エンジニアの仕事内容は?」を探ることが、育児をしながらも働きやすい企業かを見極めるポイントになります。
男女関係なく管理職登用する社風の企業を見極めるポイント
女性管理職の人数を探る
- 女性管理職登用実績あり
- 女性管理職在籍中
がキーワードです。
女性管理職の登用実績があれば、社風として女性管理職を認めていると考えられるので、女性エンジニアのキャリアアップにも期待ができます。
女性管理職が現在も在籍している場合はノウハウを直接聞くことができるので、そのポジションを目指すための具体的なアクションプランが立てやすいでしょう。
実績もなく在籍もしていなくても、「女性エンジニアが管理職への志を持っていると頼もしい。」「ぜひ管理職を目指して欲しい!」という気持ちを持っている企業もあります。
前例がない企業で自分が女性管理職第一号になれたら、誇らしいことですし自信もつきますよね。
うって変わって、もし「女性に指示されたくない。」「女性は男性より気が利くから補佐役が適任だ。」などという偏見を持った企業がいたら、こっちから願い下げです。
女性活躍推進法の施行義務も知っておこう
従業員数301人以上の大企業は”女性活躍推進法の施行義務”があり、女性の活躍に関して企業が状況を把握し、課題を分析、情報を公表するなどの義務が課せらています。
優良認定された企業は厚生労働省のホームページでも公表されていますし、企業のホームページからも確認することができます。
従業員数300人以下の中小企業は努力義務があるようなので、女性活躍推進法への取り組みや認定状況を探ることも、女性エンジニアの働きやすさを見極めるひとつの目安となるでしょう。
女性エンジニアは転職に不利?!筆者の体験談

4回の業界内転職をした筆者の、採用・不採用の理由
筆者は4回の業界内転職をしているので、応募した企業の総数は20を超えています。
内定がもらえる理由は「我が社が求めるスキルを持っている。将来性を感じる。」といった内容が多く、書類選考で落ちる・不採用となる理由は「我が社の求める技術レベルに満たない。」といった内容が殆どでした。
性別ではなく、エンジニアの力量で合否の判断が下されているので、女性だから転職に不利だと感じたことはありませんでした。
ですが、一度だけ、女性だからという理由で断られたことがあります。
金融系のインフラエンジニアをしている知人に転職の口利きをしてもらった際、「最近、セクハラ関連のトラブルがあったので、今は女性の採用を控えているらしい。」と言われてしまったのです。
企業の内情によりこのような判断が下されることもあり、面接のチャンスをもらえない寂しさを感じた経験もありました。
面接時、女性だからされる質問
「結婚してもすぐに辞めないでね?」
「産後も復帰してバリバリ働き続けて欲しい。」
面接時、とある3社から言われた言葉です。
“女性エンジニアは、結婚・出産・育児により、退職してしまう可能性が高い”という警戒心を持っているのだと感じました。
「エンジニアの仕事が好きだから長く勤めたいと思っている。」「エンジニアとして今後も成長していきたい。」という前向きな理由を述べたこともあり、この3社からは内定をもらうことができました。
これは、女性だからこそ突っ込まれる、よくある面接のパターンかもしれません。
これを不利な質問と捉えるのではなく、熱意を伝えられるチャンスと捉え、女性エンジニアの皆さんには、強気で面接に臨んてもらいたいです。
まとめ:女性だからこそ注目したいポイントを自分なりに見極めて転職先選びを
女性エンジニアが男性エンジニアと大きく違うのは、妊娠や出産など、仕事を休まざるを得ないライフイベントが発生することです。
産休や育休を取るなら辞めてくれという圧力を感じたり、育休明け復帰後、キャリアアップに繋がる業務や責任のある仕事を任せてもらえなくなったりと、妊娠や復職をきっかけに辛い想いをしている女性がいるのも実情です。
妊娠の予定がある女性だけでなく、キャリアアップを目指している女性や、ワークライフバランスを望んでいる女性も、自分にとって働きやすい転職先とは何か?を、じっくり考えてみてください。
企業を見極めるために、女性だからこそ注目しておきたい社風や福利厚生制度があり、その実績や成果を確認して欲しいのです。
求人票を熟読する。面接時に質問する。エージェントから教えてもらう。
こうして得られた企業情報をもとに、ぜひ、自分の希望とのマッチング度が高い転職先を見つけてください。