課題山積のSIビジネスはやがて崩壊し、SIerに将来はない。

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SIer、SI業界と言えば「時代の最先端で格好良い」みたいなイメージを持っていた人もいるかもしれません。

しかし、その実態は、そんな華やかなイメージとは全く違います。

SIビジネスの抱える課題とは

かつてSIビジネスはIT業界におけるビジネスの一つの定番ともいえる業態であり、大きな利益を生み出していました。

IT業界は大手のSIerがあり、それらが請負契約などでさまざまな中小のIT企業に仕事を提供し、全体として顧客にITシステムを提供するという構図があり、それが問題なく働いていました。

では、今なぜ「SIビジネスの危機」が叫ばれるような事態になってしまったのでしょうか。それは以下のような理由からです。

IT分野の低コスト化が求められるようになったこと
クラウドで提供される業務システムが増え、受託SIへの需要が減ったこと
SIerの人材が不足し始めていること
求められる技術レベルが高くなっていること

IT分野の低コスト化が求められるようになり、今までのように「作って納める」というよりも「実際の効果」を求められるようになっています。

そして顧客も実際の効果を求めることから価格を下げることを要求したり、SaaSなどのクラウドサービスを選択したりするケースが増えています。

また、SIerの側でも若年層の不足や、求められる技術レベルが高くなったことから、技術者の絶対数も開発力も不足しています。

規模の大小に関わらず、SIerに未来はない

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上の図は、SI業界における多重請負のピラミッド構造を表したものです。

この構造では、顧客から大手のSIerが単価の高い大規模な案件を受注し、スケジュール管理や設計などの上流工程だけ自社で行い、実作業は中小のSIerに請け負わせるといったことが行われます。

さらに大手のSIerから二次請負として業務を受けたSIerはそこからさらにマージンを抜いて、別のSIerに請け負わせる、IT業界ではこういった多重請負が蔓延しています。

このような多重請負構造のもとで、SIer各社において以下のような問題が起きています。

上流SIerでは、管理業務ばかりでIT技術のある人材が育たない
下流SIerは、案件が済んだら使い捨てにされる
上流SIerの中間搾取による中小のSIerの労働条件の悪化

下請け、孫請けの中小SIerの未来

下請けや孫請けの中小SIerは、今までどおり大手のSIerから仕事がもらえるのでしょうか。
また、そもそも請け負った仕事をするのに十分な人材が確保できるのでしょうか。

残念ながら、それは厳しいと言わざるを得ません。

  • 顧客のコスト意識の高まりによる案件の価格低下
  • 大手SIerの内製化によるコスト削減
  • クラウドへの移行による案件自体の減少
  • 技術者の人材不足

IT関連予算が右肩上がりであった時代はすでに終わり、顧客は費用対効果を求めています。

そのため、従来からのSIerによるシステム構築ではなくSaaSなどのクラウドサービスを選択するケースが増え、案件自体が減少傾向にあります。

そうなると、大手では自社内やグループ企業の利益を確保するために、外部の下請けSIerに仕事を出さなくなってしまいます。

さらには、若年層の減少や、ITに高い技術レベルが求められるようになったことによる技術者不足も深刻です。

ただでさえ、IT人材が不足し、エンジニアの採用戦争が激化している最中にあって、わざわざ薄給激務のイメージがつきまとう中小SIerで働こうというSEはいません。

こういったことから、中小のSIerの将来は大変厳しいものとなるでしょう。

元請けの大手SIerなら安全かというと、そんなことも無い

中小のSIerにとって、これから厳しい未来が待っているというのはご理解いただけたと思います。

では、元請けの大手SIerの未来はどうでしょうか。直接顧客から仕事をもらうプライムのSIerであれば、安泰だと言えるのでしょうか。

いえいえ、そんなことはありません。大手のSIerにとっても同じように厳しい未来が待っています。

  • 顧客のコスト意識の高まりによる価格低下
  • クラウドへの移行による案件自体の減少
  • 技術者の人材不足

中小SIerと同じように、顧客のコスト意識の高まりの結果、価格が下げられて収益率が低下し、案件自体が少なくなるなどの事態が起こります。

また、大手SIerといえど、技術者不足は中小と同じように避けられないことです。

このように大手・中小に限らずSIerにとってはこれから非常に厳しくなるでしょう。

上流も下流も、必要な人材が育たないSI業界

大手SIerは顧客から直接良い条件で仕事を受けており、高いマージンを取って二次請け企業に請け負わせているため、
給与・待遇などの労働条件は、下請けに比べるとマシな傾向にあります。

実際に、IT業界の上場企業である大手SIerなどの正社員は、他の業界と比べても非常に高い平均給与となっています。

しかし、そこから二次請け、三次受け(なんと7次請けくらいまであるケースもあるとか)となるにつれ、中間マージンを削られた安い単価で仕事が来るため、低い給与水準になります。

また、業務内容も、一次請けがスケジュール管理や顧客との交渉などのマネジメントがメインの仕事であるのに対して、2次請け、3次請けと下層に下がるにつれ、手を動かすだけの単純労働に近づいていきます。

そして、一つの案件が終われば一次請けである大手SIerから簡単に切り捨てられることも珍しくありません。

下請けSIerにおいては、エンジニアたちは

給与水準が低い
単純作業しかしない
案件が終われば簡単に切り捨てられる

という心配を常にしながら、劣悪な環境で命をすり減らすように働いています。
腰を据えて自分のスキルアップのことを考えたり、新しい技術の習得をする余裕なんてもちろんありません。

そして、上位の一次請けはIT技術者らしい仕事は一切せず、Excelでスケジュール管理ばかりやっているような状況です。

これでは、SI業界を支えるために必要なIT人材が育つはずがありません。

当たり前ですが、こんな状況の業界には優秀な人材は入ってきません。
そもそも、今働いているSEも希望が持てるわけはなく、人材の流出も止まる気配がありません。

では、こんな業界の構造の中で、SEが将来生き残るためにはどうすれば良いのでしょうか。

厳しい将来が待っていると言われるSIビジネスの中で、SEが生き残っていくためにはどうすれば良いのでしょうか。

SEがSIビジネスの崩壊に巻き込まれずに生き残るためには

生き残る方法、それは端的に言えば、自分で行動を起こすこと。
会社や上司がどうにかしてくれるという幻想を捨て、自分の人生に責任を持つことです。

具体的には、自分で勉強しスキルアップしたり、市場価値のつく仕事、会社に転職するなどしてキャリアアップをしていくこと以外にありません。そのためには何をすれば良いのか、ここにいくつか挙げてみました。

1. 自分の得意分野を持つ

SEとして何か強みと言える技術を持ちましょう。「これなら誰にも負けない」というものです。これが市場価値を上げることにつながります。

例えばセキュリティとか、Linuxとか、何か特定の分野・技術で他人にはない強みを持ちましょう。

これはITだけに限りませんが、何か強みを持つと、評価が上がり自分の市場価値も高まります。他の人と同じではいけません。

とはいえ、バケモノ、天才だらけのIT業界では、何か一つだけの専門分野や技術だけで抜きん出るのは簡単ではありません。

そこでお勧めしたいのは、スキルとスキルを掛け算して独自性・希少性を出すことです。

例えば、単に「セキュリティ」だけではなく、「金融×セキュリティ」とか、
「金融×クラウド×セキュリティ」など、ニーズがありそうなら何でもいいので、強みを組み合わせることで希少価値を出していきましょう。

2. 常に情報取集を怠らず、戦略的にキャリアパスを考える

今の業界のトレンドは何か、そして将来、業界や市場のニーズがどういう方向へ動いていきそうかといったことをしっかりと把握しましょう。

常に情報収集を怠らず、業界の動向を把握することで、自分が今後どのようにすれば良いのかが見えてきます。

そして、その動向と自分のスキルを比較して、自分は今どのレベルにあるのか、これからどう進めばよいのか、どう進みたいのかを考え、それに基づいて自己投資を行いましょう。

今であれば、そもそも先が細っていくのが目に見えているSI業界に、いつまでも留まっているのはあまり賢い選択とは言えません。

同じIT系の企業でも、成長著しいWeb系企業への移籍したり、単なるシステム屋にとどまらない付加価値を提供するコンサルティングファームに転職するなどのキャリアを選択するSEが増えています。

こういった業界の動向、人の流れ、金の流れ、世の中のニーズの変化に敏感になり、常に生き残るのに必要な情報を集め続けることが非常に重要です。

「自分の強みは何か?」「世の中の流れ、ニーズはどこに向かっているのか?」ということをしっかりと把握しましょう。

その上で、自分がエンジニアとして生き残るために将来どうしていくかという視点から、キャリアパスを戦略的に考えましょう。

大事なことは、自分の現状を把握し、今後の業界のトレンドに合わせて強みを伸ばしていくことです。

世の中に合わせて柔軟に変化することで、いつまでも需要がなくならないエンジニアになりましょう。

まとめ:受け身のエンジニアには生き残る道はない

これからSIビジネスは以下のような理由から大変な危機を迎えることは明らかです。

IT分野の低コスト化が求められるようになったこと
クラウドコンピューティングへの移行が進められていること
SIerの人材が不足し始めていること
求められる技術レベルが高くなっていること

このような中、SEが生き残っていくためには、しっかりとした戦略を練って自分から行動していくことが大切です。そのポイントは以下のとおりです。

特定分野の専門性、武器になるスキルなどの強みを持つ
日頃から情報収集を怠らない
自分の強みと世の中の流れを把握し、それに合わせたキャリアパスを考える

自分の強みと言えるコア技術をしっかりと持ち、自らの市場価値とこれからの業界の動向を見据えて、それを伸ばしていくようなキャリアパスを組み立てて行動する。

これが出来ればSIビジネス崩壊後も確実に生き残れるはずです。

いずれにしろ、こういった今のSI業界、もっと言えば今のIT業界で生き残っていくために大切なことは「自分で行動を起こす」ことです。

今、「現状に満足している」「とくに必要性を感じないから何もしない」というのは絶対にいけません。

確実に、近い将来仕事がなくなるでしょう。

業界の中でITエンジニアとして生き残っていくために、決して受け身で待っていてはいけません。
必ず「自分から行動を起こす」ことが何よりも大切です。

ABOUTこの記事をかいた人

早坂浩充

サーバ・インフラエンジニア。Linux/UNIXをメインに、Windows Serverなどを用いたWeb・メール・DNS・ADなど、様々なシステムの提案・設計と構築運用を長年にわたり経験。 近年はセキュリティ・エンジニアとしてTrendMicroやSymantec製品などセキュリティ関連分野にも携わっている。

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