SE・ITエンジニアになるには、医師や弁護士などと違い、免許となるような資格があるわけでもなく、資格は必ずしも必要というわけではありません。
ITエンジニアにとって重視されるのは、資格を持っているかどうかよりも、技術力があるかどうか、仕事ができるかどうかです。
もちろん、だからといって、資格取得が全くの無駄というわけでもありません。
資格を取得することは以下のようなメリットがあります。
顧客にアピールすることが出来る
学習する習慣をつけるのに役立つ
転職の際のアピールポイントになる
本記事では、SEが資格を取得することの意味やメリットについて、なぜ必要なのか、どういった資格をとれば良いのか解説します。
もくじ
SEにとって資格とは?資格を取る意味・メリット
IT業界でSEとして働くのに資格は必ずしも必要はありませんが、IT関連の資格は非常に多く存在し、多くのIT関連企業でそれらを取得することが社員に推奨されます。
企業によっては、資格手当てなどの報奨金を出すなど、資格取得に対するインセンティブを積極的に与えているところもあったりします。
また、転職などの際にも、資格を数多く取得することで有利に働くと考え、資格を取得しておこうと考える人もいます。
ですが、実はSEの中には、それほど資格を取得することに大きな意味があると考えている人は多くはありません。
筆者も現役のSEですが、新人の頃はよく先輩SEから「資格をたくさん持っていることよりも仕事ができるかどうかが大切だ」と言われました。それは私も同じ考えです。
では、資格を取る必要がないのか、と言えばそうではありません。
資格を取るにはやはりしっかりとした意味があります。それは以下の4つです。
顧客にアピールすることが出来る
学習する習慣をつけるのに役立つ
転職の際のアピールポイントになる
体系的に学習して新しい知識を身に着けることが出来る
まず、資格を取得する大きな意味として挙げられるのが「体系的に学習することが出来る」ということです。
資格を取得することは、その分野について体系的に学ぶ必要があるため、参考書は非常に学習しやすく作られています。
そのため、これを使って学ぶことで効率よくしっかりとした知識を身につけることが出来ます。
また、IT業界は日進月歩。常に新しい技術を習得し、自らの市場価値を高めないと生き残れません。そういった意味では「学習する習慣をつける」という意味合いも大きいでしょう。
顧客にアピールすることが出来る
もう一つ、顧客と仕事をする際に、「こういった資格を持っているので安心ですよ」というアピールをして仕事を任せてもらいやすくなるというメリットもあります。
また、官公庁系のプロジェクトでは、特定の資格を持っているエンジニアをアサインすることが入札の条件になることがあります。
そのため、資格を持っていればそう言ったプロジェクトに優先的にアサインされたり、マネジメントから重宝されたりなどのメリットもあります。
まず最低限取るべきは「基本情報」と「応用情報」
まず、IT系の資格のうち、最も多くのエンジニアが取得する
「応用情報技術者試験(略称:応用情報・AP)」
の2つの資格は、できるだけ早いうちに取得しておきたいものです。
基本情報、応用情報は持っているからといって、即転職の役に立ったりするようなものではありませんが、
これらの学習を通じて、エンジニアとして最低限必要なIT知識を体系的・網羅的に身につけることができますから、業務で使うITの基礎固めに大変役立ちます。
現場経験が十分な中堅どころ以上のSEが、改めてこれらを取る必要はありませんが、
あなたが若手SEだったり、未経験からITエンジニアを目指すような場合は、
まずは基本情報を取得し、それから1年以内くらいを目処に応用情報を取得するようにしましょう。
SEの業務に役立つ資格とは
IT関連の資格にはさまざまなものがありますが、SEの業務に役立つ資格とはどういうものでしょうか。また難易度はどの程度でしょうか。
SEの業務で必要となる知識の代表的な分野と言えば、サーバー、ネットワークと大きく分かれると思います。
そして今やトレンドのクラウド技術。ここでは、これらの資格について取り上げてみます。
サーバー、ネットワークという内容は従来からのSEが持っておくべき基本の知識で、必ず
押さえてほしい内容です。したがって業務に役立つ資格として挙げています。
ただし、今現在、そしてこれからSEとして生き残ることを考える上で、これらの2つの知識を踏まえた上で、加えてクラウドというトレンドの知識を持っておく必要があると考えています。
したがって、サーバー、ネットワーク、クラウド。この3つの区分にしています。
そうすることで、しっかりとSEとしての基本知識を持ち、かつトレンドの内容も踏まえた市場価値の高いエンジニアを目指せるとの意図です。
また、今回は実際に業務に即役立つ資格を集めてみましたので、参考にしてみてください。
サーバー関連のおすすめ資格
Microsoft認定資格
Microsoftがリリースしている多くの製品ごとに資格認定があります。SEの業務に役立つのはMCSAやMCSEなどといった資格でWindows ServerなどのサーバーOSやMicrosoft SQL Serverなどデータベース系の資格がおススメです。いずれもいくつかの試験を受ける必要があり、簡単ではありませんが、人気の資格であるため参考書なども充実しています。半年くらいは見た方が良いでしょう。
Linux認定資格(LPIC)
ベンダーフリーのLinux国際資格です。LPICレベル1からレベル3まであり、Linuxエンジニアを目指すのであればおすすめの資格です。こちらも人気の資格で、参考書なども充実しています。半年くらいかけましょう。
オラクルマスター
Microsoft SQL Serverとならぶ業界スタンダードのデータベースであるOracle。この資格はOracleデータベースについての資格です。こちらも人気の資格で、参考書なども充実しています。半年くらいかけましょう。
ネットワーク関連のおすすめ資格
シスコ技術者認定(CCNA, CCNP)
ネットワーク系資格の定番とも言えるシスコの認定資格です。上位のCCNPは難関資格にも挙げられますが、取得できればあなたは引っ張りだこです。半年くらいはかけましょう。
クラウド関連のおすすめ資格
・Microsoft Azure認定資格
MicrosoftのクラウドであるAzureの認定資格でMCSDなどがあります。これからのトレンドの資格であり必ず役に立つでしょう。やはり半年くらいでしょうか。
AWS認定プログラム
Amazonが提供するクラウドであるAWSの認定資格です。Azureと市場を二分するクラウドサービスであるAWSの資格を取得することは必ず役に立つでしょう。難易度はレベルによって違いますが、学習には初級であれば1か月で良いと思います。
資格取得の学習を通じて、業務に役立つ知識をつけよう!
SEにとって必ずしも資格は必要ではありません。しかし、以下のような理由から、取得することは大きなメリットがあります。
顧客にアピールすることが出来る
学習する習慣をつけるのに役立つ
転職の際のアピールポイントになる
サーバー、ネットワーク、クラウドと、これらの資格をご自分の進みたい方向に合わせて取得されることをおすすめします。きっとあなたの大きな武器になるでしょう。