今の職場環境に不満があり、「仕事を辞めたい…。」 と悩んでいる女性エンジニアの皆さん。
心と体の健康を保てない場所で、いつまでも我慢する必要はありません。自分がエンジニアとして輝ける企業へ転職しましょう!
残業が多い業務内容が嫌だ
賃金が低い
など、人それぞれの不満や悩みがあると思います。
でも、「もうやだ!エンジニアなんて辞めてやる!」という衝動的な決断をする前に、業界を変えることなく、その不満を改善できる転職先を探してみませんか?
この記事では、4回の業界内転職をした筆者が、
悩み別に転職先を選ぶポイント
筆者の転職体験談。失敗と後悔の実録
について、転職初心者の女性エンジニアへ向けて解説していきます。
もくじ
まずは気軽に転職サイトを覗いてみよう
「IT業界はエンジニアが足りてないから、どこの転職先も同じなのでは…?」
そう嘆く前に、通勤電車の中でも帰宅後でも、スマホやパソコンで転職サイトを覗いてみてください。
会員登録をしなくても求人情報を見ることはできるので、募集要項や待遇など、気軽に知ることができます。
- 求人を出している企業数は膨大。
- それぞれの経営方針があり、社風、待遇は千差万別。
- 受注している案件の特色や主な取引先も違う。
- 重点を置いているポイントも違う。
といったことがよくわかると思います。
外の世界を知ることで、「自分の悩みが解決できる企業がありそう」と感じられたら、少し前向きになれますよね。
今の職場と同じような業務内容であっても、企業によって待遇や環境は異なります。自分にとって働きやすい転職先は、きっと見つかるはずです。
転職エージェントを利用しよう
本格的に転職活動を始めようと思ったら、次のステップとして転職エージェントへ相談に行くことをオススメします。
エージェントでは業界の動向や企業の情報をより詳しく聞くことができますし、職務経歴書の添削アドバイスや、面接の心得なども教えてくれます。
転職初心者には心強く、ありがたいサービスですよね。
これらのサービスは無料なので、ぜひ利用してみてください。
企業へ応募する前にやるべきこと
転職サイトに掲載されている求人数は膨大ですし、転職エージェントからは10社以上紹介されることもあります。
その中から自分が働きやすい職場を見極めるためには、自分の不満や悩みを全てピックアップし、どのように改善したいかをハッキリさせる必要があります。
そして、改善したい条件の順位付けもしておきましょう。
②妥協しても良い条件
③あったら嬉しい条件
条件が全て揃っている企業と出会えたら幸運ですが、「A社はこれが魅力的。」「B社はここが良い。」と感じたら、複数の企業へ応募することも可能です。
その場合、自分の優先順位条件をもとに企業の志望順位を決めておきましょう。
もし複数の企業から内定をもらえたとしても、最終的には、その中の1社に決めなければなりません。
その際、自分なりの優先順位を振り返ることで、転職先を決める指針になります。
悩み別、転職先の見極めポイント
求人票のどこに注目すべき?
エージェントに何を質問すべき?
といったことを、悩み別に解説していきます。
勤務時間を最優先したい人
勤務時間が長すぎて、体力的、精神的にも疲れた。
勤務時間に関して不満や悩みを抱えている人は、
- 土日祝休み
- 完全週休二日制
- 年間休日125日以上
- 月残業20時間以内
が改善キーワードです。
ここで注目しておきたいのは、有給休暇が取得しやすい理由や、残業が少ない理由です。
残業時間が多く激務で当たり前というイメージが強いIT業界ですが、そうじゃない理由はどこにあるのか。
なぜ、その会社では残業が少なかったり、きちんと休みが取れるのか。。
その理由や根拠を探しながら、求人票をよく読み、エージェントにも質問してみましょう。
- 社内で労務管理の体制が整っているから
- ワークライフバランスを重視している社風だから
- 効率的な働き方を徹底しているから
- 無理のない業務量だから
- シフト勤務だから
自分はどのような働き方をしたいのか、どのような体制であれば勤務時間に関する不満が拭えるのか、について考え、安心できる企業を選びましょう。
業務内容を最優先したい人
技術レベルが高すぎてついていけない。レベルを落とした仕事がしたい。
業務内容について不満や悩みを抱えている人は、自分のやりたい業務内容を主体としている企業を探しましょう。
幅広い分野の案件を受注している企業は、新しいことを学べる、チャレンジできる機会が多いという捉え方ができる反面、
自分の希望とは違う案件を担当させられ、なかなか抜け出せないこともあります。
レベルを落とした仕事をしたい人は、工程を下げた業務を選ぶのも良いですし、事務作業をメインとしたITサポート業務という職種もあります。
転職サイト内で、自分の得意な言語や技術分野を検索してみてください。
「こんなスキルを歓迎」「この経験がある人は活躍できる」という記述もありますので、自分のキャリアを活かせそうな場合は要チェックです。
IT技術に精通しているエージェントであれば、より詳しく的確に、企業を紹介してもらうことができます。
働きかた、勤務体制を最優先したい人
チームで仕事をこなしていきたい。自分一人だけに負荷が掛かるのは辛い。
働きかたや、今の職場での勤務体制について不満や悩みを抱えている人は、
- 裁量労働制
- フレックスタイム制
- シフト制
- チーム体制
- 従業員数
が改善キーワードです。
自分でスケジューリングをしていきたいのであれば、「裁量労働制」「フレックスタイム制」を導入している企業を探しましょう。
「9時に出社していないと遅刻」ではなく、「午前中は在宅ワークで午後から出社。17時には退社する」など、自分の希望に合わせた柔軟な働き方を相談できる企業もあります。
裁量労働制の詳細条件や、フレックスタイムとコアタイムの時間規定があるかどうか確認すると良いでしょう。
「シフト制」「チーム体制」を希望する人は、プロジェクトに対する人数割り当てに注目してみましょう。
どのくらいの仕事量を何人で対応しているのかがわかれば、一人あたりの負荷も予測できます。
案件を受注してから納品までを社員個人に任せるスタイルなのか、チームで分担するスタイルなのか、自分の希望に合った体制を選んでください。
年収・給料を最優先したい人
賞与、退職金が欲しい。
こんな手当が欲しい。
年収や給料に関する不満や悩みを抱えている人は、
- 年収〇〇〇万以上
- 賞与あり
- 退職金あり
- 〇〇手当
が改善キーワードです。
月給、賞与、残業手当
給与の支払い方は企業によって様々で、一例として以下のような制度があります。
- 年俸制。1/14を月給と賞与に分けて支給。
- 年俸制。1/12を月給として支給。賞与なし。
→ 賞与があれば、月給は少ない。 -
月給制。超過労働分はすべて残業手当。
→ 超過労働分が全て残業手当の対象なのは、残業が発生しづらい環境だから。 -
月給制。みなし残業含む。
→ みなし残業を含んでいるのは、みなし時間程度の残業が当たり前だから。
支払い制度からこんな捉え方もできますので、充分に検討しましょう。
特別手当
退職金制度の他にも、皆勤手当や資格取得手当などの特別手当を設けている企業もあります。
結婚や出産時に祝い金をプレゼント支給してくれる企業もあり、女性は特に興味を惹かれますよね。
「この手当があるから仕事を頑張れる」というぐらいモチベーションが向上するのであれば、手当を重視して転職先を選ぶのもひとつの方法かもしれません。
年収アップ
「転職を期に年収を上げたい!」と思う女性エンジニアの方も多いのではないでしょうか。
同じ企業に勤め続ける場合、年に1,2回ある社内給与改定時が年収アップのチャンスですが、少しずつ上がっていくケースが一般的なので、大幅な増額は期待できません。
ですが転職の場合は、「現在の年収より〇〇万アップを希望している。」という交渉をすることも可能なので、昇給を待つのに比べて大幅な年収アップが期待できます。
経験やスキルが全く同じ人であっても、企業によってその人に対する評価は全く変わってきます。
自分が持っているエンジニアの技術や経験、ヒューマンスキルなどを、今まさにストライクゾーンで必要としている企業であれば、高く評価してくれる可能性大です。
新入社員とは違い、経験者は即戦力なので、企業側も相応の年収を提示してくれることが多いはずです。
まずは、「前職の給与を保証」というキーワードで、転職サイトの求人情報を確認してみましょう。
年齢や役職に応じた年収のモデルケースを公開している企業もありますので、企業同士の年収情報を比較してみてください。
また、エージェントを利用すれば、年収アップの交渉もしてくれます。
エージェントに自分の希望を伝え、代わりにやり取りをしてもらうのも良い手段です。
職場での人間関係に悩んでいる人
パワハラ、セクハラ、マタハラなど、職場での人間関係に関する悩みは、多くの女性エンジニアが抱えている問題かもしれません。
尊敬できる上司がいるか?
気の合う同僚がいるか?
これについては求人票からは判断不可で、実際に働いてみないとわかりません。
エージェントから社内の雰囲気を教えてもらうことは可能ですが、それは参考程度の情報でしょう。
転職先を選ぶポイントは、悩みの元凶を考え、改善できそうな環境の企業を探すことです。
- 自分だけに膨大な仕事量を与え、負荷を掛けてくるパワハラ上司に悩んでいる。
→ チーム体制で仕事を処理。エンジニアは全員残業せずに帰っている企業を探す。 -
人格を傷つけられるような、セクハラ、マタハラに悩んでいる。
→ 女性エンジニアが多数在籍している企業を探す。
→ 産休・育休取得率や復職率が高い実績のある企業を探す。
”女性は少数弱者”という偏見が減りやすく、同性の相談相手と出会える可能性が高い。 -
一日中ネガティブな愚痴を吐いてくる同僚に嫌気が差している。
→ 急成長中の若い企業など、上昇志向の社員が多数いそうな企業を探す。
好印象の企業が見つかったら、関連会社や取引先の情報もよく確認しましょう。
人間関係で悩んで転職するのだから、転職先と今の職場が仕事で繋がるのは、なるべく避けたいですもんね。
「嫌だと感じる人間、気の合わない人間は、どこの職場でも必ずいる。どんな相手ともうまくやっていく術を身につけるべきだ」
なんて言う人もいるでしょうが、心底悩んで思い詰めているときは、そんな術など身につける気力はないですよね。
精神的に限界を感じているのなら、迷わず転職を決意してください。
あなたを悩ませる人間関係を断ち切ってしまいましょう。
女性エンジニア必見!筆者の転職失敗談
「この業界から去って全く別の仕事がしたい…。」
日々のハードワークに奮闘する女性エンジニアの皆さんは、そんな風に考えることがあるかもしれません。
ですが衝動的に決断する前に、エンジニア職の魅力や、自分が培ってきたキャリアの活かし方を、よく考えてみて欲しいです。
それは筆者が、衝動的に転職を決断して後悔しているからです。
全く違う業界・職種への転職を決断
長時間の残業で体力的に疲れを感じ、休日出勤でプライベートの時間が削られ、日進月歩の業界だから常に勉強しないとついていけない…。
そんな悩みを抱えていた筆者もついに「エンジニアはもう嫌だ!」と感じ、事務職への転身を考えました。
高校で建築を学んでいたので、ほんの少しでも知識がある業界にしようと思い選んだのは、建設資材会社の事務職です。
- 定時に帰れる。土日祝は必ず休める。
- 仕事に追われるストレスがなくなった。
- IT技術を考えなくて良いので、頭脳労働が減った。
環境が全く変わり、体力的にはとても楽になりました。
ですが、3ヵ月もしないうちに不満を感じるようになってしまったのです。
月給が1/3に激減。
女性は雑用扱いの社風。掃除やお茶汲みは女性事務社員の仕事。
IT業界出身だからと、パソコンを使うことは何でも聞かれる・任される。
「会社のホームページつくって。簡単にできるでしょ?」
「プレゼン資料をつくって。PowerPoint?なにそれ?」
「Excelの行がくっついてる!助けて!(セル結合を知らない)」
「男性社員がそれぞれ勝手に管理してる顧客リストを、データベース化して。」
「このパソコン、動作が遅いから直して!」
給与は求人票や内定通知書に記載されているので、1/3になるのは事前にわかっていたことですが、月々のやりくりはとても大変になりました。
女性と男性が対等に扱われないことや、今まで当たり前に通じてた認識で会話ができないこともストレスです。
会社の資材を売り込むために営業電話を掛けるように指示されたこともあり、「事務職なのになんで?」という怒りの疑問も持ちました。
夫婦で会社経営をしていて、従業員数が10名程の小さな会社だったので、組織体制が整っていなかったのです。
女性事務社員には、事務、営業、技術の垣根なく仕事が与えられ、なんでも屋状態でした。
失敗の分析
衝動的、短絡的な決断をしてしまった。
筆者は当時、「とにかくエンジニアを辞めたい!」ということしか考えていませんでした。
自分の不満をきちんと見つめておらず、「体力的にも精神的にも負担が少なそうだから、事務職をやりたい」という考えに固執していた気がします。
IT業界でも残業時間の少ない企業や、ワークライフバランスを重視している企業はあります。
希望の条件をできるだけ叶えつつ大幅な給与の減額を避けつつ、自分の不満を解決できる転職先があったはずです。
転職エージェントへ行かなかった。
この建設資材会社は、自分で転職サイトを使って探し、そのまま自分で応募しました。
ですが、未経験の業界・職種であれば、転職エージェントへ相談に行くべきだったと反省しています。
IT業界内の転職時に転職サイトを利用していたので、手軽だし操作に慣れているという安易な考えと、早く転職先を決めたいという焦りもありました。
エージェントであれば、それぞれの業界の雰囲気や、企業の社風、業務体制などの他に、異業界・異業種への転職について注意点が聞けたことでしょう。
エンジニア職の魅力に気づいたが、アクシデント連続発生
- 自分の知識や技術力を鍛えることに集中できていた。
- スキルアップすれば、高い給与がもらえる。
- 日に日に成長していく自分を感じられた。
そんなエンジニアの仕事が、とても恋しくなってしまいました。
結局、やはりエンジニアへ戻りたいと思い、3ヵ月の試用期間終了時に事務職を辞めることにしました。
ところが筆者にアクシデントが続きます。
まず、試用期間終了2週間前に風邪で体調を崩し、1週間以上熱が下がらなかったのです。
転職活動ができる状態ではなく、次の就職先が決まらないまま会社を辞めることになりました。
そして無職の転職活動。先の見えない不安を抱えているなか、なんと妊娠が判明。
妊娠の判明を企業に伝えても内定もらえるのかな?エンジニア職を続けられるだろうか?今後の生活費どうしよう?生活拠点はどこにしよう?
いろいろな不安が頭を巡りましたが、「産後、エンジニア職に復帰する意思があるなら採用したい」と言ってくれる企業に出会えたのは、幸いでした。
筆者の場合は計画性が無さすぎるかもしれませんが、突然の病気や怪我で長期休暇が必要
になる可能性は誰にでもあります。
会社に勤めていて有給休暇を使えれば、給与もある程度保証されますが、転職活動が思うように進まず、タイミング悪く無職になってしまったら、当然不安を感じますよね。
また企業によっては、「産休育休が取得可能なのは勤務年数1年以上」という規定が設けられていたり、育休中の給与の額に影響が出ることもあります。
人生何が起こるかわかりません。
こうした経験から、転職活動や妊娠・出産は、計画的に行うべきだと筆者は痛感しました。
女性エンジニアの皆さんには、有給休暇や福利厚生制度などを上手に活用し、転職のタイミングを検討して欲しいです。
まとめ:自分の不満や悩みをしっかり見つめ、計画的な転職活動を!
会社の待遇や職場の人間に対して不満や悩みがある場合、「会社や相手に変わってもらう」のは難しいことです。
「自分が変わる」すなわち、「転職をして環境を変える」というのが手っ取り早い方法なのです。
不満や悩みが原因で体調を崩してしまったり、心の健康を保てないような状況になる前に、不満環境をガラリと変えるためのビックチャンスである転職を成功させてください。
不満や悩みを洗い出し、改善したいポイントの優先順位が決まれば、転職先は自ずと絞られます。
この記事を読んでくれているあなたには、働きやすく、仕事を楽しめて、エンジニアとして成長できる、そんな職場を見つけて欲しいです。
エージェントを活用し、くれぐれも計画的な転職活動をすることを、強くオススメします…!